部品供給装置の選定法

 供給装置にも色々な種類があり、メーカーには夫々ワークの整列についてのノウハウがあります。選定に当たっては次の諸点を考慮します。

A)供給装置の種類
 部品供給装置とその周辺機器については、大変多くの機器が発表されていますが、ここでは、市販品で通常の手段で入手できるものについて取り上げます。

a)振動ボウルフィーダ

 通常、振動ボウル型供給機と言われるもので、電磁バイブレーターや、電圧素子で円形のボウルを振動させてワークを移動させるものです。従来は商用電源の周波数または、その2倍の周波数で振動させていましたが、最近ではインバーターによって周波数を可変にしたものが使われています。
ワークの送路はボウルの内側につけたものと外側に付けたものがあります。

b)機械式揺動ホッパフィーダ



第4図 機械式揺動ホッパフィーダ
この供給機は円形ボウルとそれに接続したトラフを、機械的な方法で揺動させてワークを移送するもので、振動ボウルフィーダよりも低い振動数で大きな振幅を持つものです。

c)中板式ホッパフィーダ



第6図 複合回転円盤フィーダ
箱型のホッパの底と平行の位置にある板が上下し、平行した板の上にワークを掬いあげて、外にすべり落とす方式の供給機です。ねじの供給などによく見受けられます。

d)複合回転円盤フィーダ



第6図 複合回転円盤フィーダ
中央に傾斜した円盤が回転し、それを取り巻いて水平に回転するトラックがあります。トラックの下側にはワークの脱落防止用の曲面の壁があり、トラックとともに回転しています。
円盤の上に投入されたワークはトラックに乗り移って1列に整列されて供給され
ます。

e)回転式フィーダ


第7図 回転式フィーダ
桟付きのドラムが水平軸周りに回転してワークをかき上げ、かき上げたワークをベルトコンベア・シュート・直進フィーダ等で取り出すものです。

f)循環式直進フィーダ


第8図 循環式直進フィーダ
隣接して置かれた逆方向に振動する2本の振動直進フィーダがあって、その内の1本は下方から斜め上にワークを持ち上げる。持ち上げられたワ−クは隣の直進フィーダに乗り移り、そこで整列されて排出されます。


第8図 循環式直進フィーダB)機 能

a)供給量
 供給装置によって1分間に供給できるワークの全長(1分間に供給されるワークを詰めて並べたときの長さ[ワーク長/min])で表すと、ワークの状態によって変わりますが、目安として

・振動ボウルフィーダでは通常
・機械式揺動型供給機では通常n
・中板式供給機では長手方向として最大
・ドラム型供給機では通常
・複合回転円盤式フィーダでは通常
・循環式直進フィーダでは通常
4m/min
2m/min
2m/min
2m/min
15m/min
2m/min

 ここに挙げた数字はワークが方向性を持たないものです。円筒形(軸状)のワークでは前後が異なれば、姿勢が2(n=2)ですから、この数字の半分近くになります。四角い長方形であれば取りうる方向が8(n=8)ですから、この数字の1/8より小さくなります。しかし重心が一方に偏ったキャップのようなものを、重心を下に供給するときは、供給姿勢になる確率が高くなり、姿勢確率が3/4位になることもありますので、供給量は増大します。したがって供給しようとするワークの供給機からの排出姿勢を整列しやすい姿勢にしておいて、後で述べる「捻りシュート」・「反転シュート」や首つりの出来る「直進フィーダ」を用いて、後から姿勢の変換をすることを考えるのが賢明な方法です。

 一般的には部品供給機の供給能力(F個/毎分)は、供給機の中でワークが移送される速度Vm/min ワークの供給姿勢になる確率をp(ワークが取り得る姿勢の数をnとすれば p=1/n) ワークの長さをLm ワークの移送されるときの間隔を考慮しての係数をk とすると、供給能力 F は
となります。しかしながら、pとkの値を決めるのは中々難しいので、経験豊富なメーカーにご相談ください。

b)達成率
 供給装置を単体で動かした時、開始からトラブルが発生するまでの供給個数を、開始からトラブルが発生するまでの供給個数に1を足した数で割った商の平均値を%表示で表します。供給量が毎分5個というように少ない場合は99%でもトラブルは20分に1回の割合ですが、毎分500個の供給となると99.99%としても20分しかトラブルなしに運転できません。供給量と達成率を同時に考えて、無故障での運転時間を選定の基準としなければなりません。単に9の字が沢山並んでいるから良いというわけではありません。ワークの精度や使い方に影響されるところが大きいのですから、徒に達成率を上げるために高価な機械を買うことはありません。

c)投入量
 投入量とは供給量を満足して運転するために必要な供給機のボウル内のワークの量をいいます。最大投入量は整列供給が安定して行えるための最大の量、最小必要量は規定の供給量を保持できる最小の量です。
 最大投入量が供給能力に対してすくなくて、投入の回数が増えて困るときは補助ホッパを使いましょう。
 供給装置の中に投入されているワークが最小必要量になるまでは、供給量が規定値以上に保たれますが、最小必要量以下になると供給量が減少します。通常はこのときに投入命令がでるようにします。
 なお、投入されたワークを全数供給して、ボウル内の残数を0にすることは困難ですので、特殊な排出装置や加工を必要とすることがあります。

 C)工場の環境保持
 a)騒音と振動
 フィーダが発生する騒音は、ワークを規定量投入し正常な運転状態で、ボウルの中心軸上方に上端より1m、水平方向にボウル外壁より1mで90度を構えて4ヵ所、の5ヵ所におけるAスケール最大値と平均値を求めます。
 防音のために振動ボウルフィーダでは、防音カバーを取り付けることになります。防音カバーを付けるとワークの投入のたびに、蓋を開ける作業が増えて作業者に嫌われるのですが、騒音を抑えるためにはやむを得ません。また、振動ボウルフィーダと機械式揺動型フィーダでは、外へ振動が伝わらないように、重量のある頑丈な架台が必要になります。
 供給装置の振動が周辺に設置された機械に、影響を与えることもありますので注意をしなければなりません。逆に供給機が停止しているときに、外部から振動が入ってトラブルが起こることがありますので、複数の供給機を並べるときは注意が必要です。
 複合回転盤式フィーダでは整列ケースに防音剤を貼って、騒音レベルを10デシベル以上低下させることができます。

b)作業状態
 部品供給をするために部品を供給機やホッパに補給しなければなりません。供給するとき作業者がどの位置から投入するかが問題になります。毎回大量のワークが入った箱を、階段を昇って持ち上げるなどはほめられたことではありません。フィーダからの取り出し口の位置を下げて、移送のベルトコンベアで持ち上げるとか、フィーダの位置が高くなれば下からワークを持ち上げてくれるポッパを使うとかが、経済的な条件以上に大切なことになります。

後述するホッパについての項を参照してください。