雑学のススメ No.24(06.8/9)

「地球の大きさは4万キロ?」
〜1mはこうして決まった〜
 地球の大きさ(全周)は4万kmと教えられました。
 世界で最も高いエヴェレストの高さは8,848m(1999年11月アメリカ地理学協会の発表では8,850m)、日本で最も高い富士山の高さは3,776mと、自然に出来た山の高さや川の長さにはハンパな数がつきます。さらに地球は球体なのでその円周を求める時、無限に数字が続く円周率 π=3.1415926535・・・を考えると、地球の大きさが約4万kmではなく、丁度4万kmと言われると本当に正確に測量したのか不思議に思ったことはありませんか。
 ものの長さを正確に計れば計るほど、XcmXmm・・・ということになるので、地球の大きさ(全周)を「正確なものさし」で計ったとしたら、4万km±αとハンパな数がつくはずです。なのに、何故地球の大きさ(全周)は丁度4万kmなのでしょう。

それは「長さを計るものさし=1m」を決めた原点に遡ります。
世界中に様々にある長さの単位を統一し、新しい単位を創設するために、フランス科学アカデミーに委員会が設立されました。委員会では「自然科学に根拠を持ったものでなければ世界で共通に使ってもらえない」ということで、次の3つの案が検討されました。

1. 地球の北極から赤道までの子午線の長さの1,000万分の1
2. 赤道の周長の4,000万分の1
3. 北緯45度の地点で、半周期が1秒になる振り子の紐の長さ

3案は、 地球の重力が場所によって異なることと、長さの定義に時間を使わなければならないということで却下されました。
2案も、 赤道上には海上区間や熱帯地域が多く測量が困難ということで採用されず、
1791年フランス国民議会で1案が正式に採用されました。

【メートル原器の誕生とその後】

(1) 1795年暫定的に「メートル」の長さを定め、黄銅製の仮原器が作成されました。
(2) 1799年、パリを通過する同一経線上にあるフランス「ダンケルク」からスペインの「バルセロナ」までの距離を測定し、その長さから北極から赤道までの長さを求め、白金製の正式な「メートル原器」作成されました。
(3) 1870年、全世界の単位をメートル法に統一するメートル条約を締結する為の会議で、基準を「メートル原器」とすると定められ、メートルと地球の経緯の長さとの直接の関係はなくなりました。
(4) 1889年、白金・イリジュウム合金製の国際メートル原器が整備され、その写しが世界諸国へ配布されました。


高田誠二著 「単位のしくみ」より

(5) 1960年の国際度量衡総会において、1mの長さは変更することなく「クリプトン86原子の準位2p10と5d5の間の遷移に対応する光の真空中における波長の1,650,763.73倍に等しい長さ」という新しい定義が採択されました。
(6) 1983年の国際度量衡総会において、光速度の測定精度が高まったことから、「1秒の299,792,458分の1の時間(約3億分の1秒)に光が真空中を伝わる距離」と定義され今日至っています。

 地球の大きさの1/4を基準に1mの長さが定められため、地球の大きさ(全周)は丁度4万kmでした。近年の測定技術の進歩により再度地球の経緯の長さを計って見ると、本来なら丁度1万kmとなるはずの北極から赤道までの長さが10,002,288mであることが分ったようです。
 地球の大きさ(全周)は40,009,152mということになり、4万kmより9,152m長く、正しくは「丁度4万kmではなく約4万km」ということになります。
このことによって逆に、今から200年以上前に6年もかかって測量したことによる測定誤差が、2/10,000であったことが確認され、当時の測定技術の高さが証明されることにもなりました。

参考文献:フリー百科事典「ウィキペディア」
   高田誠二著 図解雑学「単位のしくみ」