雑学のススメ No.25(06.10/11)

「健康食品 昆布の話(1)」
〜ところ変われば食べ方イロイロ〜
 沖縄県は100歳以上の人口比率が日本一高い長寿県です。温暖な気候と自然に恵まれた環境のお陰でしょうが、長寿の素としての食生活、中でも「昆布」が注目されています。昆布に含まれる豊富なミネラル成分が健康維持をサポートしてくれるのです。

 【昆布の主な成分】
「アルギン酸」 ノンカロリーで成人病予防に効果があると言われています。特に「抗癌作用」があるといわれます。
「フコダイン」 ガン細胞を滅ぼす働きがあります。そのほかにコレステロールの低下にも効果があります。
「ラミニン」 血管を拡げ血圧を降下させる作用があります。
「タウリン」 高血圧や高脂肪症さらに動脈硬化などの予防に役立ちます。
「ヨード」 骨の成長や知能の発達に影響を与える甲状腺ホルモンの形成に欠かせません。

 では、この貴重な成分はどこから生まれるのでしょう。
シベリアの中央を流れる北の大河アムール河に端を発します。永久凍土が広がるツンドラ地方を通過した冷たい水は、やがてオホーツクの海を凍らせ、「流氷の天使」と呼ばれる「クリオネ」と共に、寒流に乗って流氷となり北海道沿岸を覆い尽くすことになります。冬の北海道の生活環境を麻痺させる雪や流氷は「悪魔の使者」ばかりではありません。豊富な栄養を含んだ「流氷」は春が来ると解け始め、昆布を育てることになります。「流氷」と「親潮」(寒流)は壮大な地球規模の自然の恵みということになります。

 昆布は寒い地方の海に育つ海藻であり、国内生産の90%以上が北海道産ですが、広く日本国中の食卓に広がっています。しかしながら昆布ほどその土地・土地によって、食べ方が異なる食材は珍しいのです。

北海道型
昆布の「だし」のみを使うのが主流で、「だし」を取った後の昆布は多くの家庭がそのまま捨ててしまいます。
三陸(東北)型
地元で採れた薄い昆布の「葉」のみを食べる。青森県南部では「すだれ状」にすいて食べる習慣があります。
北陸型
「おぼろ昆布」・「とろろ昆布」など削って食べます。その昔、北陸地方に運ばれた昆布は肉厚で、削る以外にとても食べられるシロモノではなかったようです。細かい糸のように削られた「目打ちとろろ」は、この地域独特の利用方法です。
「鰊の昆布巻き」・「刺身の昆布締め」などの料理が根づいています。
大阪型
昆布「だし」・「おぼろ昆布」・「とろろ昆布」の他に、古くから醤油が生産されていた為、佃煮や塩昆布また「酢昆布」に食品加工されるのが特徴。小倉屋山本の「えびすめ」が有名です。
西海(九州)型
昆布を「だし」に使わず煮た後のだしを捨てて、葉だけ食べます。
南海(沖縄)型
低蛋白の豚肉と昆布を組み合わせた料理は沖縄独特のもので、「クーブイリチー」(炒め物)・「イラブー」(汁物)といった琉球家庭料理が発達しました。
東京型
大阪と殆ど同じで、「だし」・「とろろ」・「おぼろ」・「佃煮」・「塩昆布」が一般的。いつも正反対なことが多い東京と大阪ですが、「昆布」の食べ方は大阪に似ています。但し、「だし」の取り方は「昆布」ではなく、「にぼし」・「かつお」が主流です。

「昆布」は育った環境によってカタチも味も違うので、昆布の種類に合った料理方法が工夫され、地方色豊かな食べ方が受け継がれてきたのだと思われます。

 【昆布の種類】
利尻昆布
北海道北部の稚内を中心に採取され、「だし汁」が澄んでいて、あっさりとした風味が特徴なので、京料理には欠かせません。
羅臼昆布
オホーツク海に突き出した知床半島周辺で採れ、香りがよく、濃厚でコクのあるだしが取れる最高級品。甘みがあり柔らかくて美味しいので、そのままでも食べられます。
長昆布
北海道東部の根室で採れ、佃煮・昆布巻き・おでんなど、家庭料理に欠かせません。生産量が最も多いことでも知られています。
日高昆布
北海道南部襟裳岬周辺で採れ、家庭料理のだし用として人気が有ります。
真昆布
津軽海峡に面した函館市沿岸でとれ、上品な甘みが魅力で「羅臼昆布」と並ぶ最高級品。肉厚で葉の幅が広く、鍋物や湯豆腐に最適です。
細目昆布
北海道西部の日本海側で採取され、主にとろろ昆布や松前漬に加工されます。

さらに、【健康に良いと言われるもうひとつの理由】
 昆布が「アルカリ性食品」であることです。最近の肉食中心の家庭料理の影響で、現代人の血液は酸性に傾きがち。そこで、アルカリ性の昆布を食べればバランスの取れた健康な体内環境を作ることができます。また、昆布には殆どカロリーがないし、少量でも満腹感が味わえるので、ダイエット・美食食品としての最適なのです。

参考文献:「昆布なるほど教室」 昆布館発行