雑学のススメ No.28(07.2/07.5)

「おいしい水とは?(後編)」
〜進化するミネラルウォータ〜
 水は地球!生命の源です。水がある所に人が住み・集まり、集落になります。水のあるところに文明が誕生し、都が・都市が造られてきました。でも、地球の3/4を占める海は塩水で飲めません。また、水があっても体に良くない水もあります。
 日本は世界の中では数少ないおいしい水に恵まれた国です。日本はおいしい水が「タダ」の国なのに今、水道水よりも千倍〜二千倍高い「ミネラルウォータ」が何故売れるのでしょう。「ミネラルウォータ」は本当に千倍〜二千倍おいしいのでしょうか。千倍〜二千倍も長生き出来るのでしょうか。その背景を考えてみました。

水道水がまずくなった。
第一の原因は水道水源が汚れたからです。第二の原因は浄水方法の変更(緩速濾過⇒急速濾過)第三の原因はビルやマンションの急増(亜鉛引き鋼管の影響)です。
海外旅行経験者が多くなり「水」に対して対価を支払う抵抗が少なくなってきた。
海外ではダダで飲める水は殆どありません。大切な生きるための必需品です。
1990年、「ウーロン茶」に始まった「緑茶」(従来はタダ)の延長線上。
講演会や会議でのお茶のサービスが「ペットボトル商品」に。(人件費削減)
若者のファッションスタイルに取り入れられた。
手軽に持ち運び出来、必要な時に必要なだけ飲むことが出来、要らなくなったら何
処でも捨てられるという商品です。
食生活における健康指向・自然指向・ダイエット指向に加えて、低カロリー・低甘味の度合いが強まっている。

血液をサラサラにするために「水」を飲む習慣。
「ミネラル豊富」の宣伝に反応。
低迷するコーラー業界の起死回生の戦略が「ダイエットコカコーラ」の出現。

 色々考えられますが、「ミネラルウォータ」の生産量が急増した時期に注目したいと思います。(前編参照)1995年に発生した「阪神淡路大震災」を思い出してください。それまでは食料品や医薬品を備蓄してきたのですが、それに「水」が加わったのです。それは2ℓや500㎖よりも20ℓの大型の「ミネラルウォータ」が大量に生産されていることでうかがい知ることが出来ます。
 さて、ここまで大きくなった市場ですが、今大きな変化が起こっています。
 ミネラルウォータ2ℓ用のペットボトルが2本あります。(右の写真)少し形が違いますが、同じように見えます。まず初めにキャップを外してみましょう。(下の写真)右側のペットボトルは容器本体と同様「透明」なのに、左側のペットボトルはキャップと同じ材質の白い樹脂がかぶせてあることが分かります。
 次に手で持ち上げてみましょう。透明な方のペットボトルは薄く・軽く・ペコペコ音がすることに気がつきます。実際に重さを量ってみましょう。白い樹脂がかぶせてある方が61gに対して、透明な方は46gです。(25%減)
 ペットボトルが清涼飲料水の容器として普及し始めた1996年頃、ジュースやお茶などをペットボトルに詰める時は、中身を高温で充填することによって容器を殺菌(熱湯消毒や加熱殺菌:熱処理)していたので、容器はその高温に耐えられる素材でなければならず、ある程度の硬さが必要でした。


 中身の注入口でもある「飲み口」は熱処理によって変形し、キャップが出来なかったり、密封できなかったりするので、約90℃の熱処理に耐えるポリプロピレン(PP)のキャップ(白色)が必要でした。しかし、最近になって厳重に管理されたクリーンな状態を保ちながら、熱を加えることなく常温で充填を行うことが出来る「無菌充填技術」が開発されたことによって、一昔前まではどんなペットボトルでも白い樹脂がかぶせてあったのに、最近ではどんどん「透明」な方が増えています。
(参考:無菌充填機  通常は600本/分  世界最速1,200本/分)
「無菌充填機」の導入には高額の設備投資費用がかかるのですが、何故急速に「透明」な方に切り替わっているのでしょう。

1) 常温で充填するため加熱するために必要なエネルギーの消費がなくなる。
2) 加熱したものを冷やす(放熱)必要がないので、エネルギーの無駄遣いがなくなる。(地球温暖化の防止につながる)
3) ペットボトルの材料が少なくてすむ。(25%減)
* キリンのホームページによれば、2ℓの容器 63g → 42g 
(2/3まで軽量化)し、2005年には3,400t/年 大幅なペット樹脂資源の節約を実現したとあります。(原価低減と資源の無駄遣いを減らすことに成功)
4) リサイクル出来ないポリプロピレン(PP)の量を減らすことができる。

 といった地球に優しい数々の効果が期待できるからからなのです。
このように地道な努力の積み重ねで「地球の温暖化対策」に取り組んでおられる企業が沢山あります。ますます進化する「技術革新」への取り組みに注目したいと思います。