雑学のススメ No.36(08.10/08.11)

ちいさい数字
〜「1」から「0」まで〜
「キロキロとヘクトでかけたメートルが、デシに追われてセンチミリミリ」小学校へ通っていた頃、メートル法の単位を覚えるために「口ずさんだ」ことがおありでしょう。整数では「1」の次(下位)は「0」ですが、その間には「無限」に限りなく近い世界が存在しています。世の中の進歩に従って、「数」もどんどん小さくなって行きます。21世紀の今日、どの単位まで理解できるのか、必要なのか、また良く使われているのか、「位」の小ささを的確に把握できる対象や出来事を探して見ました。

10の0乗
1  【壱】
全ての数(正数)は「1」から始まります。

10の−1乗
0.1  【分】  《デシ》
スポーツ紙を賑わす野球選手の「打率」や「防御率」は、×割×分×厘で表します。
この時は【割】の1/10で、0.01にあたります。
【割】は江戸時代のローカルルールですが、バーゲンセールにはなくてはならない表現方法です。

10の−2乗
0.01  【釐】  《センチ》
2004年アテネ五輪大会で優勝したハンマー投げの室伏広治選手のベスト記録は、2003年に記録した84m86cmです。陸上競技での計測可能距離は【cm】の単位までです。

10の−3乗
0.001  【毫】  《ミリ》
精密部品といわれるベアリングの代表型番「6200」の内輪内径は【10mm】です。
工業界の現場での単位は【cm】ではなく【mm】が一般的です。

10の−4乗
0.000,1  【絲】(し)
日本人の毛髪は1日に【0.3〜0.5mm】伸びます。1番早く伸びるのは髭です。
「6200」の内輪に使用するパイプ材(中空材鋼材)の許容値は【 ±0.4o】です。

10の−5乗
0.000,01  【忽】(こつ)
平均的な日本人の毛髪の太さは【0.08mm】です。
「6200」(ベアリング)の旋盤仕上げは、【旋削(内径公差):φ9.85±0.04o】

10の−6乗
0.000,001  【微】 《マイクロ》
圧延加工で製造されるアルミ箔はJISによって厚さ0.006mm〜0.2mmに定義されています。極限に挑み【4μ(マイクロメートル・ミクロン)】の極薄アルミを完成させました。
「6200」(ベアリング)の研磨仕上げは、【研削(内径公差):0〜−0.008o】
※工程が進むに従って(鍛造・旋削・研削)一桁ずつ公差が1桁ずつ小さくなります。

10の−7乗
0.000,000,1  【繊】(せん)
金箔のうち最も利用されている四号色は厚さ【0.1μ】の極薄で、1立方cmの金から約10平方米の金箔を作ることができます。目で確認できる最も薄いものではないでしょうか。

10の−8乗
0.000、000,01  【沙】(しゃ)
極めて小さい「すな」のこと。 真砂 水辺の砂

10の−9乗
0.000,000,001  【塵】(じん) 《ナノ》
ものを細かく分けた時、そのものの性質を示す最小の粒が分子で、
その大きさが【10-9m】です。
ナノテク:一般受けを狙って安易に「ナノ」を付けた商品が多く見られるようになっています。

10の−10乗
0.000,000,000,1 【埃】(あい)
「ほこり」(すなけむり)のことですが、【塵】(ちり)より小さいのですね。
分子をさらに細かく分けることが出来ます。それが原子です。水の分子は2つの水素原子と1つの酸素原子に分けることが出来ます。(H2O) その大きさは【10-10m】です。

10の−11乗
0.000,000,000,01  【渺】(びょう)
かすんでいる 渺茫 広く遥かかすんではっきりしないこと。

10の−12乗
0.000,000,000,001  【漠】(ばく) 《ピコ》
ぼんやりしていること。 「渺漠」:果てしなく広々としていること。

10の−13乗
0.000,000,000,000,1  【模糊】(もこ)
ぼんやりと定かではないものの表現に「曖昧模糊」があります。

10の−14乗
0.000,000,000,000,01  【逡巡】(しゅんじゅん)
酸素の原子核の大きさは、原子の1万分の1の【10-14m】です。

10の−15乗
0.000,000,000,000,001  【須臾】(しゅゆ) 《フェムト》
原子核を構成する陽子中性子の大きさは【10-15m】です。

10の−16乗
0.000,000,000,000,000,1  【瞬息】(しゅんそく)
1回まばたきをし、また息をする極僅かな時間を表現します。

10の−17乗
0.000,000,000,000,000,01  【弾指】(だんし)
指パッチン?極めて短い時間のこと。

10の−18乗
0.000,000,000,000,000,001 【刹那】(せつな) 《アット》
2008年のノーベル物理学賞は日本人科学者の小林誠、益川敏英、南部陽一郎の3氏に贈られるという明るいニュースが流れました。受賞の対象になったのがクオークで、その大きさが【10-18m】です。分子【10-9m】や原子【10-10m】に比べ如何に小さい世界であるかが分ります。 途方も無く小さい単位ですが、少し身近に感じることができたのではないでしょうか。

10の−19乗
0.000,000,000,000,000,000,1  【六徳】(りくとく)
人の心に守るべき六種の徳。(「知 仁 聖 義 忠 和」または「礼 仁 信 義 勇 知」)
クオークをさらに細かく砕こうとする学者が出てくるかもしれません。

10の−20乗
0.000,000,000,000,000,000,01  【虚】(きょ)
邪心を持たないこと。からっぽ。

10の−21乗
0.000,000,000,000,000,000,001  【空】《ゼプト》
「空」こそ、あらゆるものの本来の姿であるという仏教の基本の考え。

10の−22乗
0.000,000,000,000,000,000,000,1  【清】(せい)
理想的な世界を言います。

10の−23乗
0.000,000,000,000,000,000,000,01  【浄】(じょう)
にごりも穢れも無く美しいこと。

これ以下は 【 10-24 】阿頼耶 《ヨクト》
【 10-25 】阿摩羅
【 10-26 】涅槃寂静
と続きます。